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【獣医師取材】専門獣医師を集めた総合病院を作りたい|磯野新先生

「専門医療だけでなく高いホスピタリティや思いやりのある接客を

磯野 新動物医療センター元麻布 院長

<経歴>
 2011年     日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科 卒業
 2011年~    小滝橋動物病院グループ 勤務医
 2014~2020年 日本獣医生命科学大学 外科学研究室 整形外科 研究生
 2020年~    日本獣医生命科学大学 外科学研究室 整形外科 大学院生
 2020年~    動物医療センター元麻布 院長
 日本獣医がん学会Ⅱ種認定医
             

グループ病院の副代表として45名の獣医師をまとめながら、整形・神経外科を専門として診察を行っている動物医療センター元麻布院長 磯野新先生が、これからの動物医療のあるべき姿について、獣医師として思いをお話しくださいました。

子どもの頃に動物を亡くしたことがきっかけに獣医師を目指した

ーーー 先生が獣医師を志した理由は?

子どもの頃から飼っていた動物が亡くなった時に「動物を助けられるようになりたい」と思ってからずっと獣医師志望で、日本獣医生命科学大学の獣医学部に入学しました。

ーーー 整形外科や神経外科を得意とされておられますが、興味を持ったきっかけは?

もともと外科に行きたかったんですが、ちょうどうちの大学(日本獣医生命科学大学)の外科が整形・神経に特化していたので、大学の外科に入った時点で僕も整形外科に興味を持って、学生の頃から勉強していという感じです。

整形外科を専門とした獣医師としてグループ病院の診察にあたっている

ーーー 獣医師免許を取得してから、臨床の現場ではどういう経験を積んでこられたのですか?

もともとは将来的に開業しようと思っていて、最初に勤めた小滝橋動物病院グループがなんでもやっている動物病院だったので、整形外科だけでなく色々な臨床医療ができる獣医師になりたいと思って幅広くやっていました。しかし途中からは、開業するのではなく整形外科を専門にしてこの病院グループで成長していく決意を固めました。今はうちの病院グループの副代表に就いていて、やはり整形外科を中心として診療を行っています。

ーーー 動物医療センター元麻布では整形外科以外の疾病でも専門性の高い先生が診察されているのですか?

もちろんうちの病院には専門性の高い獣医師が他にもいます。整形外科を担当する僕の他に、脳神経科・腎泌尿器科が得意な獣医師が所属しています。また、グループ内にCTやMRIがある病院があったり、神経や透析心臓外科、呼吸器などの専門獣医師がいるため、適材適所で患者さんを紹介してグループとして診察にあたっています。

動物医療センター元麻布は、小滝橋動物病院グループから派生したAMCグループという組織に属しています。AMCグループは元麻布と白金台、もうすぐ赤坂にも新しい病院ができるので8月からは3つの病院の体制です。小滝橋動物病院グループ7病院と、派生したAMCグループ3病院の合わせて10病院で、獣医師の数は全部で45人くらいです。この規模の人数の獣医師が連携して患者さんをバックアップしている組織は他にはあまりないと思います。

難しい整形外科の治療によって歩けるようにできることが嬉しい

ーーー 磯野先生が経験したこれまでの診療の中で、嬉しかったエピソードはありますか?

整形の疾病が他の病院でなかなか治らなくて悩まれていた飼い主さんが来院されて、手術をして歩いて帰っていくとか、難しい整形外科の治療を行って治せた時はいつも達成感を感じますね。足が折れて曲がった状態で来て、術後はまっすぐな状態で帰るのは毎回嬉しい瞬間です。

僕は骨折してしまった犬とかにあまりバンテージとか巻かずにそのまま歩いて帰らせるのですが、歩けなかったペットがちゃんと治って歩いている姿をみた飼い主さんは喜んでくれますね。癒合不全(※1)で全然歩けなかったのが、バンテージもなしに歩いて帰れたときはかなり嬉しかったです。

※1 癒合不全・・・骨折後、骨が元あったところでくっつかず、乖離の大きいところでくっついてしまうこと

ーーー 犬の骨折というのは結構多いのですか?

骨折は小型犬、特に足が長いトイプードルが一番多いですね。手術は簡単ではないですが、ちゃんと治療を行えば骨はまっすぐになります。骨折の原因は高い所から落ちるだけではなくて、実は飼い主さんの膝の上や椅子の上から落ちて折れてしまう子も結構多いんです。

専門医を集めた動物たちの敷居の低い総合病院を作りたい

ーーー 今後の獣医療全体をみたときに、自分が寄与していきたいことは?

1人の獣医師が全部の症状を診るのではなく、例えば整形・心臓など人間と同じ様に専門医療ができる病院が必要だと思います。日本では特定の科目専門の獣医師は多くいるものの、レベルの高い総合医療が受けられる動物病院というのは数が少ないです。

今後は、人と同じような総合病院を建てて専門医療の集団を作り、大学病院よりもっと迅速に対応できる専門獣医師を集めた総合病院を作っていきたいですね。今ある大学病院や総合病院は診察まで時間がかかったり、紹介制などの縛りがあったりするので、もう少し敷居の低い動物病院を作りたいと思っています。

専門性やホスピタリティの高い若手獣医師の育成に力を注ぐ

ーーー 動物病院での独自の取り組みはありますか?

私たちのグループでは若手の獣医師の専門性の育成に力を入れています。例えばうちの病院だと、整形外科で自分が実際に診察・診療に入るのは半分以下で、自分が監督してクオリティを維持しながら実務を若手の先生に任せていっています。専門性の高い獣医師を広げていく仕組みがあるのは、他の動物病院と違う所だと思います。

また、同じグループの白金台には心臓専門の先生、赤坂には腹腔鏡・内視鏡の手術ができる先生がいたりと、病院ごとに特徴・専門性があるので専門の獣医師と連携が取りやすいというのも特徴です。

ーーー 磯野先生含めスタッフなどに周知を徹底している考え方などありますか?

経験を積んだ獣医師が高いクオリティで治療にあたる高度医療だけではなく、高いホスピタリティや思いやりのある接客をすることをスタッフ全体で徹底するようにしています。

例えば、お腹が痛そうな犬に対して吐き気止めと下痢止めを打って終わり。という病院もある中で、当院では原因を追求するために他の病院よりもレントゲン検査、項目数の多い血液検査、超音波検査などをして、正しい治療を行う選択肢を選びます。必ずちゃんと検査をして原因を追求していくという基本を守ることが大事だと考えています。

飼い主さんの意見と動物の気持ちを尊重し多くの人と動物を幸せにしたい

ーーー  磯野先生にとって”獣医師”とは?

獣医師は動物を治すだけではなくて、飼い主さんご家族や周囲の幸せのことも考えて、世の中を明るくする職業だと思います。

ーーーー お客様や動物たちと接する上で最も大切にしていることは?

基本は飼い主さんの意見を重視して治療に取り組みますが、動物が痛がっていたり明確に必要な治療を断られたときは飼い主さんを説得することもあります。

例えば、これまで「注射を定期的に打っていれば問題ない」と他の先生に説明を受けていた方が、当院に来て色々と検査をすると不信感を持たれてしまうことがあります。そういう時は検査が必要な理由をきちんと丁寧に説明することで納得してもらえますし、正しい情報を提供して飼い主さんの知識を引き上げることで、こちらの見解に寄せていくということも重要だと思います。

ーーー  これから来院されるお客様に一言お願いします。

動物を大切にしている方のご要望・ご期待に添えるように精一杯頑張っています。特に整形・神経系の病気で悩んでいる方は治せる可能性があるので、よりよい提案をさせて頂けたらと思います。また、専門の獣医師がたくさんいる病院グループは他では少ないので、悩んでいることをご相談頂ければ、治せる可能性の高い獣医師の紹介ができます。お気軽にご相談下さい!