【獣医師監修】小鳥をペットとして飼う前に知っておくべき飼育方法
目次
愛らしい仕草や人への懐きやすさ、バリエーションに富んだ鳴き声でペットとして人気の高い小鳥。鳥かごの置けるスペースさえあれば飼育可能ということもあり、マンションなどの集合住宅でも飼いやすいペットとして「小鳥を飼いたい」と思う人は多いのではないでしょうか。この記事では、小鳥をペットとして買う上で用意すべきものや小鳥をペットに迎える上でのポイント、注意点などをまとめました。
ペットとして飼える小鳥の主な種類
ペットとして人気の高い、おすすめの小鳥の種類を紹介します。
セキセイインコ
セキセイインコは小鳥の中でも人に懐きやすく、飼いやすい品種として知られています。雛の頃から飼っていればより人に慣れ、手乗りになってくれることも難しくないでしょう。ペットショップで買う際の価格は2,000~3,000円ほどです。
文鳥
活発で明るく、人にも慣れやすい小鳥として人気の文鳥。セキセイインコ同様、手乗りにしやすい鳥として知られています。値段は毛色によって変わりますが、1,500円~1万円で購入可能です。
ジュウシマツ
ジュウシマツには白と茶の混ざったものから全身が真っ白のシロジュウシマツまで、さまざまな種類が存在します。大きさも12~15cm程と小ぶりで飼育しやすいと言われています。温和な性格で、他頭飼いにも向いています。価格は2,000~3,000円ほどです。
オカメインコ
オカメインコは名前には「インコ」とあるものの、オウム科に属する小鳥です。体長は約33cm程度とやや大きめ。価格は毛色によって異なりますが、1万円~5万円ほどです
小鳥を選ぶ際のポイント
いざ、ペットとしてお迎えする小鳥を選ぶ際のポイントをお伝えします。
・動きが活発である
・足や毛が綺麗で艶がある
・食欲旺盛である
・鳴き声に張りがある
一方で、動きが少なく体毛に汚れの見られるもの、ケージの中で羽を膨らませている個体に関しては健康状態の悪化や病気が疑われるため、注意しましょう。
小鳥の飼育で準備するべきもの
小鳥を飼育するにあたっては、次のものを準備するようにしましょう。
鳥かご
鳥かごのサイズは、小鳥が羽を広げた状態で1.5倍以上の大きさが必要と言われています。たとえば体長23cm程度のセキセイインコであれば、縦横35cm以上が目安です。小屋が広ければその分おもちゃなどを入れられるため、広ければ広いに越したことはありません。また、下のトレイが引き出しタイプになっているものだとフンや餌の食べかすを掃除しやすく便利です。(Amazonで鳥かごを見る)
とまり木
鳥かごの中には、小鳥がとまるための木を用意しましょう。小鳥がかじってストレス解消をするのにも役立ちます。汚れた場合はこまめに洗って天日干しにしましょう。(Amazonでとまり木を見る)
餌
小鳥の餌は主にヒエ、アワ、キビなどです。小鳥の種類によってこれらを配合したミックスシードが売られているため、飼育にあたって活用すると良いでしょう。()
餌入れ
小鳥の餌を入れておくためのものです。小鳥の体のサイズによって、食べづらくない深さのものを選ぶようにしましょう。(Amazonで餌入れを見る)
水入れ
小鳥が水を飲むために使用します。水浴びをする種類の小鳥の場合、水浴び用の水入れも別に用意しましょう。
その他に必要なものはペットショップの店員さんに聞くと良いでしょう。巣箱に関しては、小鳥の種類によって必要なものと必要でない場合があります。ジュウシマツなどは寝る為に巣箱が必要ですが、セキセイインコの場合は巣箱が必要なのは繁殖時のみで、それ以外は発情の原因となってしまうため設置しない方が良いとされています。(Amazonで水入れを見る)
小鳥の鳴き声はうるさい?どんな時に鳴く?
小鳥にはよく鳴く小鳥と鳴かない小鳥がおり、種類ごとの差や個体差があります。鳴き声の大きさの例を挙げるのであれば、セキセイインコの鳴き声は大きなもので約70デジベルほど。70デジベルは大体掃除機くらいの音の大きさです。
小鳥が鳴くのは群れの中での意思疎通や感情表現のためと言われています。ペットとして飼っている場合は日常の中で鳴いている「地鳴き」以外にも飼い主を呼んでいるときや何かを求めているとき、警戒しているときなどに鳴くことがあるでしょう。鳴き声によって、何を求めているかを見極め、対処することで鳴きやませることができます。
小鳥の匂いは気になる?匂いを抑える方法
小鳥を飼う上では、匂いも気になるポイント。主に小鳥の匂いが気になる原因は次の4点です。
・鳥かごの手入れ不足
・発情期
・糞尿、病気による下痢
小鳥の匂いを改善するには、水浴びや餌の工夫が有効と言われています。また、鳥かごの掃除の際に小鳥専用の消臭剤でとまり木や餌箱を拭くのも効果的。小鳥の匂いが気になると思った場合は試してみると良いでしょう。
小鳥の寿命はどのくらい?
小鳥の寿命は品種によってさまざまです。セキセイインコや文鳥であれば大体5~10年。ジュウシマツは3~10年と言われています。適切な飼育環境を保って飼育していくことで、長生きしてくれることでしょう。また、体調に異変が見られた場合はすぐに獣医師に相談することも必要です。
小鳥を飼う際に注意すべき病気
小鳥を飼う上で注意したい病気をいくつか紹介します。
ビタミンB1欠乏症
餌の栄養素に偏りが見られる際に発症する病気です。主に幼鳥期のアワ玉に頼った給餌が原因の多数を占めます。に多いとされています。ビタミンB1が欠乏すると神経炎が起こし、足を引きずって移動するようになります。餌やりの際に幼鳥用のペレットやパウダーフードを併用することで改善できます。
PBFD(Psittacine Beak and Feather Disease)
PBFDはウイルス性の疾患で、羽毛の異常、体重減少、嘴や爪が弱くなるなどの症状がみられます。今のところ有効な治療法はなく、対症療法や投薬などで様子を見ていくことになります。
自咬症
発情や睡眠・運動不足、生活環境などのストレスから、自らの首や羽を咬み羽毛をむしってしまう病気です。小鳥の癖になってしまう前に生活環境を改善させるなどの対応が求められます。
骨折
鳥類の骨は、飛ぶために細く軽く作られているのが特徴。そのため、骨折もしやすいです。小鳥の動きや羽の位置に変化がある場合は、骨折が疑われます。この場合、動物病院に行っての処置が必要となります。
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