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【獣医師取材】研究員から人と動物に寄り添う開業医へ|貝原剛規先生

動物から癒しを得るには、まず僕がこの子たちを癒してあげなければ

厚木ひまわり動物病院

貝原 剛規厚木ひまわり動物病院 院長

<経歴>
  1968年  神奈川県生まれ
  1993年  麻布大学獣医学部獣医学科第二外科卒業 獣医師免許取得
  1993年~ 第一三共株式会社(旧第一製薬)入社 東京研究開発センター勤務
  1999年~2002年  開業動物病院にて勤務
  2002年  厚木ひまわり動物病院 開院
  2020年  日本メディカルアロマテラピー協会理事
             

厚木ひまわり動物病院で院長をされている、貝原剛規(こうき)獣医師。製薬会社で研究員をされていたという貝原先生に自身の病院を持つに至った経緯や、自らのルーツから今後努めていきたい獣医師としての役割、また飼い主さんの負担を減らすための病院独自の取り組みなどを伺いました。

サラリーマン獣医師から開業医へ

サラリーマン獣医師から開業医へ

ーーー まず、貝原先生が獣医師を目指した経緯を教えてください

子供の頃は医学に興味を持ち、医者になろうと思っていました。しかし、高校生の時に近所の獣医師と交流があり、さまざまな動物の病気を治す獣医師に魅力を感じました。

大学入学後は臨床現場に一番近い外科に入局し、大学病院での実習で多くのことを学びました。4年間、ずっと外科一筋でしたね。ただ、大学病院の現場というのはなかなかに壮絶で。帰る暇もなく医局で寝泊まりする生活に疲れてしまい、卒業後の最初の就職先は動物病院ではなく製薬会社にしました。

その後はサラリーマン獣医師として研究所で動物たちの健康管理や研究を行っていました。犬、猫、うさぎ、ハムスターからサルやミニブタまで、多くの動物を管理し、飼育、投薬、採血などがストレスなく、倫理的に適正に行われるようにというようなことです。

しかしそこで出会った動物たちは、研究室内でただ実験に使用されるのを待つ、人との絆を感じない生き物でした。この子たちから癒しを得るには、まず僕がこの子たちを癒してあげなければならない、と強く思いました。それを実現できるのは動物病院しかないと。製薬会社を退職して臨床の研修医から出直し「動物を癒し動物に癒される」を理念に厚木ひまわり動物病院を開院しました。

少しでも飼い主さんの負担を減らす制度を

少しでも飼い主さんの負担を減らす制度を

ーーー 病院での独自の取り組みなどはありますか?

お支払いいただいた治療費に応じてポイントを付けられるポイントカードをご用意しています。「病気の治療費にポイントを付けるなんて」と思われるかもしれませんが、動物医療には公的な医療保険はありません。少しでもお得に通っていただけるように、独自のポイントシステムをご用意しています。皆様のお役に立てると思っているので、是非ご利用して欲しいです。

あとは会員制度ですね。入会金を支払うことで診察料、爪切り、足先のグルーミングなどが無料になります。フード、予防薬なども特価で購入可能です。この制度は、お得感というよりも気軽に何でも相談してほしい、病院の敷居を下げるためのサービスです。

エキゾチックは「犬猫のついで」じゃ意味がない

エキゾチックは「犬猫のついで」じゃ意味がない

ーーー 厚木ひまわり動物病院ではうさぎや小鳥などエキゾチックアニマルの診療にも力を入れていらっしゃいますよね

はい。エキゾチックアニマルは勤務医時代には犬猫のついでに診ている感覚が強くて。これでは意味がないと思い、開業後に鳥類臨床研究会とエキゾチック動物学会に所属して集中的に勉強しました。小鳥用に新たな検査機器なども導入し、今では犬猫の診療以上に得意になりましたね。

ーーー 貝原先生は東洋医学・再生医療にも造詣が深いと伺っています。これらを学ぶことになったきっかけを教えてください

日本の標準医療は西洋医学ですから、動物医療も西洋医学が中心ではあります。しかし、がんや心臓病、腎臓病、糖尿病など、現代の医学をもっても治せない病気もある。そんな慢性疾患に苦しむたくさんのペットや飼い主さんと出会う中で、ある種治療の限界を感じて。そこで体質改善に着目して自然の力を利用する、東洋医学の中国古来の考え方に興味を持ちました。

また私の先祖である貝原益軒(※)の著書『養生訓』の内容が、現代の動物医療にも応用できるはずと思い、鍼灸治療や漢方薬の勉強も始めました。再生医療に関しては伝統医学とは真逆の最新の医療として、完治不可能な慢性疾患の治療の可能性を感じ、積極的に臨床応用を行っています。

※貝原益軒(えきけん)・・・江戸前期から中期の儒学者、博物学者。著書『養生訓』は儒教思想を基にした益軒の実体験からの養生(健康、健康法)についての指南書。

得意なことは自信を持って行い、経験のない事は正直に言う

ーーー 貝原先生が診察の中で心がけていることはありますか?

自信のない事はやらない、ですかね。見たこともない動物の診療や治療は、獣医師としては好奇心がある一方、ペットや飼い主さんの不利益にもつながります。得意なことは自信を持って行い、経験のない事は正直に言うように心がけています。

ーーー 今後、貝原先生は獣医療の発展にどのように寄与していきたいですか

医療も発展を続け、ペットにかかる医療費の負担は増すばかりです。人の生活を犠牲にしてまでペットのことを考えて欲しい、などと言うつもりはありません。人の生活をよりよくするための一助としてペットとの生活を選んだ方々に対し、ベストな方法を発信し役に立てる動物病院にしたいと思っています。そのために体質改善を目指す中医学(東洋医療)と西洋医療の良いとこどりをした中西結合医療の啓蒙・実践・発展に寄与したいですね。

忙しく診療している時間が一番幸せ

忙しく診療している時間が一番幸せ

ーーー 獣医師として動物を診ていくなかで「嬉しい」と感じる瞬間は?

仕事はすべて人とのつながりだと思っているので、動物の向こうにある飼い主さんの顔色が心配顔から笑顔に変わることが一番嬉しいです。また僕の診療に期待をいただいて、遠方から受診していただくことも嬉しいですね。かつては臨床の現場の目まぐるしさから離れたこともありましたが、今では忙しく診療している時間が一番幸せです。

ーーー 最後に、これから病院に来るお客様に一言お願いします

ペットは飼い主を選べません。至れり尽くせりではなくとも、やってあげなければならないことがあります。しかし動物の健康を管理するために、飼い主様の生活が困窮することや笑顔がなくなることは本末転倒です。僕たちは動物医療のプロとして皆様のお役に立つことを望み、日々研鑽し、準備をしてお待ちしております。