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【獣医師取材】FIP(猫伝染性腹膜炎)は治せます|片山政都先生

「FIPをはじめ、難病の治療についてぜひ相談してほしい」

片山 政都ブルーム動物病院 院長

<経歴>
2014年      日本獣医学生命科学大学卒業
2014年〜2016年  アレフ動物病院(茨城県つくば市)勤務
2017年4月〜10月  溝口犬猫病院に勤務
2017年11月〜2018年11月 TNR日本動物福祉病院(川崎市)に勤務
2019年1月  ブルーム動物病院を開業
             

神奈川県横浜市のブルーム動物病院で院長を勤める片山政都先生。FIP(猫伝染性腹膜炎)の治療に励まれる片山先生に、FIPの治療内容や診察時に心掛けているポイントなどをお伺いしました。

馬専門の獣医師に憧れた小学生時代

ーーー はじめに、片山先生が獣医師を目指したきっかけを教えてください。

獣医師の知り合いが居たこと、小学生時代から乗馬を習っていたことがきっかけです。

獣医師という仕事が身近にあって、馬が大好きだったので「将来は馬専門の獣医師になりたい!」と思っていました。そのままずっと獣医師を目指して、高校卒業後は獣医学部に進学しましたね。

ーーー 獣医師を目指されて獣医学部へ進学したあとは、どのような研究に励まれましたか?

大学時代は、犬の乳腺治療のウイルス治療をメインに研究しつつ、月に1度北海道へ足を運び、馬に関する実習に参加していました。

正直当時は、将来犬や猫の治療を行うとは思っておらず、常に馬のことで頭がいっぱいでした。もし、大学生時代の自分に「将来は犬や猫の治療に励んでるよ」と、伝えたらびっくりすると思います(笑)

ーーー 大学卒業後は、まず馬専門の獣医師として働き始めたのですか?

馬専門の獣医師になりたい!という思いから、JRA(日本中央競馬会)の獣医師試験を受けたのですが、落ちてしまいまして…。当時は結構ショックでしたね。

でも「まずは小動物臨床で基礎的な外科や内科のスキルを磨いて、いずれ馬専門の獣医師になろう!」と気持ちを切り替えて、動物病院に就職。社会人1年目の頃は、休日に馬の開業医さんの病院まで行って手伝いつつ、馬の治療の勉強を継続していました。

けれども、動物病院で経験を積んでいくうちに小動物臨床にやりがいを感じるようになりまして。そして、開業を決意して、2019年にブルーム動物病院を開院しました。

FIP(猫伝染性腹膜炎)治療は完治できる

ーーー 現在は、ブルーム動物病院の院長として、FIP(Feline infectious peritonitis・猫伝染性腹膜炎)の治療に励まれている片山先生。発症した場合、致死率が高いと言われる病気の治療に尽力するようになったきっかけは何だったのでしょうか?

獣医師として勤めた2番目の病院で、野良猫を保護して、最終的に里親を探す活動を行っていたのがきっかけです。里親に出す前に検査するとFIPを発症している子がいたので、治療をしていました。

また1番最初に勤めた動物病院の時に、FIPの治療に使用するシクロスポリンという免疫抑制剤を用いた治療に携わっていまして。獣医師として駆け出しのころから、FIPの治療につながる経験があったことは、自分にとってプラスでした。

ーーー FIPの治療に携わってきた中で、嬉しかった経験を教えてください。

FIPの症状がなかなか改善されなかった猫に対して、MUTIANという薬を使用した治療に切り替えたら、2~3日で改善したことです。

この猫には、1カ月間に渡ってシクロスポリンを投薬して治療を進めていたのですが、症状が一向に改善せず。飼い主さんと相談して、MUTIANに切り替えたところすぐに回復したんです。

つらそうな表情をしていた猫が元気になった姿には、僕自身本当に驚きましたし、嬉しかったです。

ーーー これまで、先生はどれくらいFIP治療に携わってきたのでしょうか?

2019年にFIP治療をはじめて、約2年間で360件以上の治療に携わってきました。他院でFIPの治療は1年に1度あるかないかだと思いますので、治療実績は多いです。

また、これまでFIPは致死率100%と言われてきましたが、完治を目指せるようになりました。

FIP治療では約3カ月に渡って投薬治療を実施。投薬期間終了後、観察期間を設けています。

正直なところ、投薬期間終了後から6カ月以内に再発する子がいるのは事実です。けれども、6ヵ月経過しても再発せず、しっかり完治する子もいます。

実際に先ほどお伝えした当院でFIP治療をした猫は、治療完了から2年経ったいまも再発せず、元気に生活していますよ。

後悔のないように複数の選択肢を

ーーー 片山先生が今後獣医療に携わっていく中で、チャレンジしたいと考えていることは何でしょうか?

チャレンジしたいことは、2つあります。ひとつは、外科の症例を増やすこと。そのため現在は、外科手術に対応できるように設備を整え始めています。

もうひとつは、FIP治療において、先ほどお伝えしたMUTIANでの治療を浸透させていくことです。MUTIANは海外の薬のため、正直まだメジャーな治療法ではありません。製薬会社とも協力して、ひとつずつ課題を解決していきたいですね。

また僕は獣医師として、「治せません」と言いたくないと考えています。理想は「何でも治せます」と言える状態になったうえで、患者さんからの信頼を得て「どんな病も治してくれる獣医師」であること。そのためにも、日々精進したいと思います。

ーーー 片山先生が院長を勤めるブルーム動物病院で、治療する際に心掛けていることを教えてください。

動物の体・メンタルの負担を考慮して、飼い主さんに複数の選択肢を提示するように心掛けています。

前提として覚えておいていただきたいのが、どんな治療にもメリット・デメリットはあるということ。だからこそ、それぞれの治療法をきちんと説明して、飼い主さんに後悔のない決断をするように努めています。

ーーー 最後に、これからブルーム動物病院に来院される方へメッセージをどうぞ!

FIP(猫伝染性腹膜炎)は、完治を目指せる病気です。

インターネットの情報に左右されずに、FIPをはじめ、他の難病に悩まれている方、他院で治療を断られた方も、ぜひ来院してもらえればと思います。

また今後は、腎臓病や歯肉炎・口内炎の治療用に新しい薬品や治療機器を導入予定です。より広範囲に専門性の高い治療ができる環境を整えて行きます。

セカンドオピニオンも随時受け付けていますので、治療方針に迷われたらぜひご相談くださいね。

片山政都先生も登録している「アニぴたる」って?

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