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【獣医師執筆】夏の必需品、ダニ除去ツール「Tick Twister」

※本記事はTick Twisterの広告を含みます。

害虫としてよく知られる“ダニ”。
都市部の日常生活ではあまり見かけることはないため、いざダニに噛まれてしまうとどうすればいいかわからないことも多いのではないでしょうか?そんな時には Tick Twisterの出番です!

Tick Twisterは1995年にフランスの獣医外科医であるDr. Heitzのより開発されたダニ除去ツールです。
フランスではほとんどの動物病院に置いてあるとも言われ、海外メディアでも数多く取り上げられています。

フランスではほとんどの動物病院に置いてあるとも言われ、海外メディアでも数多く取り上げられています。
その特徴としてマダニを潰さずクルクル回して取ることで、ダニの顎体部を皮膚に残さず除去することが可能です。(※医療用器具ではありません。)

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ダニ除去ツール「Tick Twister」とは?

愛犬、愛猫にダニがついている!そんな時に飼い主さん自身でダニを除去するための道具です。
もちろん動物病院で除去してもらうという方法もありますが、なるべく早く除去してあげたいという方も多いはず。
今回はダニ寄生の基礎知識から早く除去することのメリットまで詳しくお話しします。

そもそもダニってどんな虫?

ダニは8本脚からなる節足動物で、クモやサソリの仲間です。
昆虫ではないので、その体は頭・胸・腹に分かれておらず胴体部と口器のある顎体部から成っています。
中でも健康被害をもたらす大型のダニであるマダニの仲間は日本全国に生息し、近づいた人間やペットに寄生し吸血します。
成ダニでは吸血する前は3〜8mmほどですが、吸血をすると10〜20mmもの大きさに膨れます。
皮膚にしっかりと口器を突き刺し吸血を行い、満腹になるまで数日から10日間以上もの長時間寄生を続けます。

どんな場所が要注意?

マダニは森や山など草木が生い茂る場所で3~4月頃から増加をはじめ、夏場が最盛期となり活発に活動します。
地域や種類によっては、冬季に活動ができることもあるので注意が必要です。
「うちの子は山とか森とかアウトドアには連れて行かないし、家の近所を散歩させているだけだから関係ないかなー」というそこの飼い主さん、危ないですよ!

マダニは公園や河川敷、ヤブなどあらゆる身近な草むらに潜んでいるのでちょっとした散歩のはずが、寄生されてしまうなんてこともあります。
山や川遊び、散歩から帰ってきたらマダニがついていないか全身をチェックしてあげましょう。

マダニ寄生発見!

吸血しているマダニを発見!!どうすれば、、、
焦る気持ちを抑えて、慌てて無理に取らないでください。

マダニは口器を皮膚の奥深くまで食い込ませて吸血するので、ちょっと引っ張った程度では除去することができません。
吸血中のマダニを強引に手でむしり取ったり、ピンセットで胴体部を引っ張ると、マダニが千切れてしまい顎体部だけが皮膚の中に残ったままになってしまいます。
口器が皮膚の中に残ったまま放置すると化膿して炎症が酷くなり、切開して取り除かなければならないこともあります。

感染症の恐怖

マダニは様々な病原体を媒介することがあるため、吸血による皮膚炎だけでなく感染症の危険性もあります。
中には命に関わる事もある重大な感染症もありますので注意が必要です。

・犬バベシア症
・猫ヘモプラズマ症

犬ではバベシア属原虫、猫ではヘモプラズマが赤血球に寄生し、破壊することによって起こる溶血性貧血をはじめ、発熱や食欲不振などの様々な症状が現れます。
発見が遅れた場合には命に関わることもある恐ろしい病気です。

・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

2011年に中国で発表された新しいウイルスによる感染症で、人獣共通感染症としても注目されています。
発熱や下痢、嘔吐などの消化器症状を引き起こし、特に猫では致死率が高いと言われています。
また、マダニからの感染だけでなく、発症した犬や猫から人間への感染が報告されており、2013年以降国内でも毎年死者が確認されています。
治療は対症療法しかなく、現在のところ有効な薬剤やワクチンはありません。

ポイントは除去するまでのスピード!

さまざまな健康被害が起こるマダニの寄生ですが、マダニに吸血されてしまった際に大切になるもう1つの要素、それはできるだけ早く除去することです。
先にお話ししたマダニが媒介する様々な感染症は噛まれてからすぐに感染が成立するわけではありません。
吸血開始から48時間以内であれば、病気に罹患する危険性が低いと言われています。
また、吸血されてから時間が経過すると、マダニの唾液腺から分泌される物質により、セメントのように口器が皮膚の奥深くで固まってしまうので除去がさらに難しくなります。
マダニを早く除去すれば、それだけ身体にかかる負担や病気のリスクを減らすことにも繋がります。

気をつけるのはペットだけじゃない?

マダニは犬猫などペットだけではなく、飼い主さんにも寄生し吸血します。
またマダニが媒介する感染症の中には動物だけでなく人間への感染が報告されているものもあります。
近年、大きく話題になった重症熱性血小板減少症候群(SFTS)だけでなく、日本紅斑熱、Q熱、ライム病など重大な感染症も数多くあるので飼い主さん自身も野外に出掛ける際には長袖、長ズボンを着用し、帰宅後は衣服や体にマダニがついていないかをチェックするなど注意を払いましょう。

まとめ

意外と身近なマダニの寄生。
もし愛犬、愛猫が吸血されているところを発見しても決して焦って無理に引っ張らないでください。
また、できるだけ早くに除去することが皮膚炎の悪化を防ぐだけでなく、感染症を予防にもつながるのでツールをうまく活用しましょう。
特にアウトドアによくペットを連れていくという飼い主さんは携帯必須ですね!